売れるECサイトを制作するポイントと制作リソースを確保するコツ

売れるECサイトを制作するポイントと制作リソースを確保するコツ

ECサイトの売上を伸ばすには、商品の魅力がしっかり伝わり、買い物をしやすいECサイトを制作することが重要です。とは言っても、「自社のオンラインショップで、どうやって商品の魅力を伝え、どうやって買いやすくするの?」という疑問がありますよね。

ECサイトの制作業務は、実店舗における「接客」のようなもの。写真や商品紹介文などのコンテンツ次第で、ECサイトの売上は大きく変わります。実店舗の看板や内装、什器、ポップなどをレイアウトするのと同じように、ECサイトのコンテンツをしっかり作り込まなくてはいけません。

今回は、ECサイトの売上を伸ばすためのノウハウや、制作をアウトソーシングする際の注意点など、制作担当者が押さえておくべきポイントを解説します。

ECサイトの制作担当者が行う業務とは?

制作担当者が行う主な業務は、ECサイトのページやバナーなどのECサイト内のコンテンツ制作に加え、メルマガやプロモーション用コンテンツの制作のような販促に関わるものがあります。

ECサイトの主な制作業務

ページ制作
トップページ/カテゴリページ/商品ページ/特集ページ/FAQ など
バナー制作
トップバナー/特集ページバナー/キャンペーンバナー/広告バナー など
販促コンテンツ制作
メルマガ制作/記事制作/動画制作/SNSコンテンツ制作 など

マーケティングやMDなどと連携して動く

ページを制作する際は、各ページのワイヤーフレームを作成し、ページのデザイン決定した上で、HTMLやCSS、JavaScriptなどのコーディングを行います。

特集ページやキャンペーンバナーなどを制作する場合、マーケティングやマーチャンダイジング(MD)などの部署と連携し、販促計画やセールのスケジュール、新商品の発売時期などに合わせ、期限までにページやバナーを制作します。

その際、制作担当者はどんなターゲットに販売したいのか、どんなブランドイメージを持たせたいのかなど、意図を理解した上で完成イメージを事前に共有することが大切です。そうすることで、制作物の作り直しを防げますし、目的に合致したコンンテンツを作ることで施策の成果を高めることにもつながります。

ECサイトの売上を伸ばす制作のポイント

売れているECサイトは、ページやコンテンツにさまざまな工夫が凝らされています。ぱっと見ただけでは分からないような細かいノウハウも含めると、ECサイトの制作のノウハウは無数にあります。ここでは、売上を伸ばすためのサイト制作の考え方やノウハウの一部を解説します。

優先すべきは見栄えよりも「買いやすさ」

ECサイトの主な目的は「商品を売ること」です。どんなにオシャレで、かっこいいデザインでも、商品が売れなければ成功とは言えません。例えば、「オンラインショップのデザインを重視するあまり、購入ボタンのサイズが小さくなってしまった」などがよくある失敗例です。

よくある失敗例

  • 購入ボタンのサイズが小さく、見つけにくい
  • 購入ボタンのサイズが大きいが、クリックできるエリアが狭い
  • 商品説明が少なすぎる
  • 購入ガイドを見つけにくい
  • カラーバリエーションやサイズ展開がわかりにくい

ECサイトの制作担当者がもっとも意識すべきことは、買い物をしやすいサイトを作ること。ブランドイメージを崩さないように注意しつつ、売上が伸びるページやバナーの勝ちパターンを探しましょう。また、A/Bテストツール、ヒートマップ分析ツールなどの活用によるUX改善も効果的です。

ページの表示速度を意識する

売れているECサイトの特徴の1つは、クリックしたページが表示されるまでの時間が短いこと。ECサイトに掲載する画像のサイズを適正化したり、画質を落としすぎないように画像圧縮をかけ、ページの表示速度を改善することが重要です。

ECサイトでは一般的に、商品写真が多いほど売上が伸びやすいと言われますが、Googleが提供する「PageSpeed Insights」も参考にしながら表示速度とのバランスを取れると良いでしょう。

写真や文章のガイドラインを作る

ECサイトに掲載する写真や文章のガイドラインを作ることも重要です。

文章は客層に合わせて言葉遣いを選ぶのが鉄則。また、文章のフォントが統一されていなかったり、単語の表記ゆれが頻発したりすると、顧客にとって読みにくくなるだけでなく、ECサイトに対する信頼感も下がりかねません。表記のガイドラインを作って文章を統一してください。

また、写真など画像のガイドラインを作成することも大切です。写真のトーンや背景などがバラバラだと、「雑なお店」というイメージを顧客に与えかねません。

特に自社ECサイトでは、顧客はそのお店に不信感を持つと、個人情報を入力することに抵抗感を持ってしまいます。文章やデザインに統一感を出すことで、「安心できるお店」という印象を顧客に与えれば、結果として売上アップにもつながるはずです。

また、ECサイトに掲載する写真の著作権やモデルの肖像権、キャラクターライセンスの扱いもしっかり定めておきましょう。

ECサイトは画像が命

ECサイトの画像は、売上を大きく左右する重要なコンテンツです。画像を差し替えただけで売上が数倍に伸びることも珍しくありません。

どのような画像が顧客から好まれるかは、ECサイトの客層によって異なりますから、競合分析も行いながら売れる画像のパターンを見つけてください。商品写真は、やり過ぎない範囲で明るさや彩度を調整することも必要でしょう。

なお、食品であれば、いわゆる「シズル感」のある写真が必須です。アパレルならモデルが着用したコーディネート写真が必要ですし、家具やインテリアであればライフスタイルをイメージしやすい写真を使うと効果的です。

ファーストビューにこだわり抜く

ECサイトのページを制作する上で、特に重要なパーツは「ファーストビュー」です。トップページのファーストビューには「どのような店なのか」「何を売っているのか」が一目でわかるコンテンツを配置します。

ECサイトでは、取り扱っている商材のカテゴリメニューや検索ボックス、送料無料や会員登録特典の表示など、コンテンツのレイアウトを工夫することで、顧客のページ遷移を促すことができます。商品ランキングをサイドメニューやトップページの上部に表示するなども商品選定の参考になり、効果的です。

ブランドイメージを傷つけないよう配慮する

ECサイトの売上を伸ばそうとするあまり、表現が過剰になってブランドイメージを毀損しないように注意が必要です。例えば、ハイブランドのアパレルECサイトに赤文字で大きく「〇〇% OFF!」「最終セール!」などの記載は、ブランドイメージの低下につながる可能性もあるため注意が必要です。

制作担当者によって、デザインや表記のばらつきを最小限にするためにも、予めデザインや表記のガイドラインを定めることも重要です。

スマホファースト

現在のEC市場では、スマホに最適化されたECサイトを作ることが必須です。

国内のEC市場では、パソコン経由の売上が頭打ちになっている一方、スマホ経由の売上は伸び続けています。経済産業省の調査では、物販のEC市場に占めるスマホ経由の比率は2018年時点で約4割にまで増加しており(※1)、ここ数年以内にパソコン経由の売上割合を上回るペースで増加しています。

Googleの検索エンジンも、すでに一部サイトでモバイル・ファースト・インデックス(MFI)へと移行しており、2020年9月にはすべてのウェブサイトをMFIに切り替えると発表していることからも、スマホ最適化を前提とした対応が必須であるといえるでしょう。

ECサイトの制作のKPI

ページやバナーの業績への貢献度を定量的に計るために、KPIを設定し、クリエイティブのPDCAを回しやすくすることも重要です。

例えば、ランディングページのコンバージョン率(CVR)や離脱率、キャンペーンバナーのクリックスルー率(CTR)、メルマガの開封率、記事コンテンツや動画から商品ページへの遷移率など、制作物の目的に合わせてKPIを設定します。

制作業務に必要なスキルとリソース確保のコツ

ECサイトの制作には、さまざまな職種のスタッフが関わります。

制作業務全体を管理するディレクター、PhotoshopやIllustratorなどの画像処理ソフトを使うデザイナー、商品写真を撮影するカメラマン、商品説明文やメルマガを書くライター、HTMLやCSSなどのコーダー、動的コンテンツを作るエンジニアなどです。さらに最近では、動画コンテンツやWeb広告用の動画バナーなどのコンテンツも多く、動画クリエイターもEC運営に必要な人材となっています。

このようにECサイトの制作に求められるスキルは多様化しています。すべての職種を内製するには人件費と教育コストの負担が大きいため、多くのEC事業者は必要に応じてアウトソースを活用しています。

ECサイトの制作実績が豊富な会社を選ぶ

ECサイトのコンテンツやデザインは、コーポレートサイトやブランドサイトとは異なり、「ユーザー自身が商品を検索し、配送先や支払い方法などの情報を入力する」など、ECサイト特有の考慮すべきことが多くあります。そのため、ECサイトの制作実績が豊富な会社を選んでください。

業界の特性によって見せ方が異なることもあるため、自社と同じ商品ジャンルのECサイトの制作実績があり、かつ、そのECサイトの売上が伸びていれば理想的です。

料金の安さだけで選ぶのは失敗のもと

料金の安さだけで委託先を選ぶと、失敗する可能性があります。いわゆる「安かろう悪かろう」で、料金は安いものの、想定していた成果物が納品されなかったという失敗談は珍しくありません。

料金と品質のバランスを見極めて委託先を選定するようにしましょう。なお、制作代行の料金体系は、業務量に応じた従量課金制や、1カ月間の仕事量が決まっている定額制などがあります。委託するボリュームや予算に合わせて選ぶと良いでしょう。

他の運用業務と制作をセットで委託できるとなお良い

ECサイトを運用していると、制作以外にも受注管理や商品登録、プロモーション、物流などさまざまな業務が発生します。

こうした制作以外の業務もアウトソースする場合、それぞれの業務を別の会社に委託すると、委託先とのコミュニケーションや請求などの手間がかさんでしまいます。制作をアウトソースする際は、将来的に他の運用業務をアウトソースすることも見越して、ECサイトの運用業務全般を請け負ってくれる運用代行会社に依頼すると良いでしょう。

アウトソースする範囲と作業内容を明確に

制作業務をアウトソースする場合でも、まずは委託する業務範囲や作業ボリューム、頻度などを明確にしておきましょう。その際、どのような方向性のECサイトを作りたいのか、完成系のイメージを委託先に伝え、デザインのテイストや言葉の言い回しなど細かいニュアンスをガイドラインとしてまとめ、事前に共有することも重要です。

まとめ

対面で接客を行えないECサイトにおいて、ECサイトのコンテンツは「実店舗の店員による接客」と同じように、売上に大きな影響を与えます。ECサイトのデザインやコンテンツの見せ方は、トレンドに合わせて変化させていく必要があります。常に新しい知識やスキルを自社のECサイトに反映していくことを意識してみてください。

出典

  1. ※1 「平成 30 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書 」P7~P8, 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課, 平成31年5月