EC集客に欠かせないSNS!トレンドと年代別の利用率まとめ

ECサイト集客に欠かせないSNSトレンドと年齢層別の利用傾向まとめ

自社ECサイトの集客やブランディングにおいて、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)は重要なツールです。公式アカウントでの情報発信やSNS広告の出稿といった従来の手法に加え、SNSアカウントと商品データを連携し、SNSからECサイトの商品ページに消費者を直接誘導するなど、活用の幅は広がっています。

SNSをECサイトに活用する際は、自社のターゲット層に合ったプラットフォームを選び、目的に合った施策を打つことが大切です。今回は、SNSのトレンドや主なSNSの利用者属性などのデータを解説します。SNSのECサイト集客への活用については「SNSをECサイト集客で活用するには?運用の注意点も解説」の記事を参考にしてください。

SNSの利用率や利用目的のトレンド

日本国内におけるSNS利用者の割合は上昇傾向にあります。総務省が毎年実施しているSNSの利用状況に関する調査によると、2019年(令和元年)時点でLINEの利用率は86.9%、Facebookは32.7%、Twitterは38.7%、Instagramは37.8%でした。年次推移を見るとLINEとInstagramの増加率が高く、Twitterは緩やかな上昇が続いています。Facebookは横ばい、その他のSNSは減少基調です。

主なソーシャルメディア系サービス・アプリの利用率

出典:総務省「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」 P77,2020年9月

1日あたりのSNSの利用時間も増加しています。総務省の調査では2019年における平日1日あたりの「ソーシャルメディア」の利用時間は32.3分で、前年比5.6分増えました。ソーシャルメディア以外のメディアの利用時間は、「携帯電話」は6.2分(前年比1.2分増加)、「固定電話」は1.5分(前年比0.8分増加)、「ネット電話」は3.1分(前年比0.9分増加)、「メール利用」は34.6分(前年比3.8分増加)となっています。

2012年(平成24年)と2019年(令和元年)を比較すると、「ソーシャルメディア」の利用時間が約3.6倍(23.5分増加)に増えている一方、他のメディアは総じて横ばいで推移しており、「ソーシャルメディア」は突出して増加率が高くなっています。

コミュニケーション系メディアの平均利用時間

出典:総務省「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」 P77,2020年9月

2020年はコロナ禍でSNSの利用時間が増加

2020年春以降、新型コロナウイルスの感染拡大によって消費者のライフスタイルが変化したことにより、SNSの利用時間が増加していることを示すデータもあります。

ソーシャルメディアマーケティング支援を手がけるアライドアーキテクツ株式会社が2020年8月に公開した、SNSの利用実態に関する調査結果では、SNSを利用する時間が新型コロナウイルスの感染拡大以前と比較して「すごく増えた」と回答した割合は10%、「増えた」は24%でした。一方、SNSの利用時間が「減った」「すごく減った」と回答した消費者の割合は合計3%にとどまっています。

新型コロナウイルス感染症拡大以降の「新しい生活様式」における、消費者のSNS利用実態調査

出典:アライドアーキテクツ株式会社「新型コロナウイルス感染症拡大以降の「新しい生活様式」における、消費者のSNS利用実態調査」,2020年8月

「SNSを利用する機会が増えた」と回答した消費者に、利用目的について聞いた調査項目では、買い物に関連する項目の「外出時間短縮のための事前サービス内容・クチコミチェック」は30%、「通販・デリバリーのサービス内容・クチコミチェック」は28%でした。新型コロナウイルスの感染拡大によってSNSの利用時間が増えるとともに、買い物への影響も強まっているようです。

「新しい生活様式」下ではどのような目的でSNSを利用することが増えましたか?

出典:アライドアーキテクツ株式会社「新型コロナウイルス感染症拡大以降の「新しい生活様式」における、消費者のSNS利用実態調査」,2020年8月

企業のSNSマーケティングも活発

企業がSNSをマーケティングに活用する動きも広がっています。株式会社サイバー・バズと株式会社デジタルインファクトによる共同調査では、「ソーシャルメディア広告」の市場規模は2019年時点で4,630億円となっており、2025年には1兆円を超える見通しです。また、2019年の「インフルエンサーマーケティング」の市場規模は301億円で、2025年には723億円に拡大すると予想されています。SNSの利用率や利用時間が伸びていることを踏まえると、 SNS広告やインフルエンサーマーケティングをEC事業に活用するトレンドは加速していくでしょう。

ソーシャルメディア広告の市場規模推計・予測(2018-2025年)

※「ソーシャルメディア広告」の市場規模推移。YouTube、Facebook、Instagram、LINE、Twitter、TikTokで提供されている広告。ブログサイトの広告は含まない。

出典:株式会社サイバー・バズ「株式会社サイバー・バズ/株式会社デジタルインファクト調べ - ソーシャルメディアマーケティング市場」,2020年10月

インフルエンサーマーケティングの市場規模推計・予測(2018-2025年)

※「インフルエンサーマーケティング」の市場規模推移。インフルエンサーがソーシャルメディア上で、PR活動であることをあらかじめ明示して製品・サービスを訴求した情報発信に対して支払う費用の年間総額。

出典:出典:株式会社サイバー・バズ「株式会社サイバー・バズ/株式会社デジタルインファクト調べ - ソーシャルメディアマーケティング市場」,2020年10月

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年齢層別のSNS利用率や利用時間

SNSをECサイトの集客やブランディングなどに活用する際は、SNSごとの利用者属性を踏まえ、自社のターゲット層との親和性が高いSNSを選ぶことが重要です。

主なSNSの年齢層別の利用率をまとめた総務省の調査があります。2019年時点ではTwitterやInstagramは10~20代の利用率が高く、Facebookは30代の利用率が高いのが特徴です。性別の違いではTwitterは男性、Instagramは女性の利用率が高くなっています。

LINEは全年齢層で利用割合が高いですが、利用者の中には電話やチャット機能のみを使用し、ホームやタイムラインといったSNS機能は利用していないケースもあるため、他のSNSと単純に比較しない方が良いでしょう。

年齢層ごとの利用割合の違いが際立っているのはTikTok。全年代の利用率は12.5%と他のSNSと比較すると低いように見えますが、10代の利用割合は47.9%と突出して高く、若年層に浸透していることがわかります。2020年9月には、TikTokに広告を配信できるビジネスアカウント機能が実装されたことから、他のSNSと同様にマーケティングへの活用が進むと見られています。

令和元年度 主なソーシャルメディア系サービス・アプリなどの利用率(全年代・年代別)

出典:総務省「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」 P76,2020年9月

なお、月間利用アカウント数はInstagramが2019年3月時点で3,300万[1]、Facebookは2019年7月時点で2,600万[2]Twitterは2017年10月時点で4,500万[3]、LINEは2020年9月時点で8,600万[4]となっています。

出典

年齢層別のSNS利用時間

消費者の1日あたりのSNS利用時間を年齢層別に見ると、若年層ほど利用時間が長いことが分かります。総務省が実施した調査では、「ソーシャルメディアを見る・書く」ために使う時間は10~20代が1日あたり1時間を超えています。ただ、40代と50代も1日あたり約20分使っており、若年層以外にもSNSが浸透しているようです。なお、若い世代ほど休日の利用時間が平日よりも長くなっています。

令和元年度 平日・休日 ネット利用項目別利用時間(全年代・年代別)

出典:総務省「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」 P34,2020年9月

SNS広告では年齢ターゲティングの違いを考慮

SNS広告を配信する際は、SNSごとの利用者の年齢層を調べて自社のターゲット層に合っているかを確認することが重要です。それに加えて、広告配信対象の設定方法がSNSごとに違うことにも注意が必要です。

例えば、FacebookやInstagramは1歳ごとにターゲットを絞ることができますが、Twitterは「18~24歳」「21~34歳」「35~49歳」など幅があり、1歳ごとに区切れません。

Facebookは年齢以外にも、利用者の性別、居住地、学歴、家族構成、業種などで絞り込むことができるなどターゲティングの範囲が異なります。SNS広告を配信する際は、ターゲティング機能の特性も理解した上でプラットフォームを選定しましょう。

学生のSNSトレンド

高校生や大学生のSNS利用状況に関する調査データもあります。インターネット調査事業などを手がける株式会社テスティーが2020年2月に実施したSNSの利用調査によると、女子高校生のTikTokの利用割合が高いことや、Instagramは女性の利用率が男性よりも高いことが示されています。

現在利用しているSNS

出典:株式会社テスティー「TesTee(テスティー)調べ:https://www.testee.co - SNSの検索機能に関する調査(2020年)【高校生・大学生の男女対象】」, 2020年2月

また、SNSの利用目的に関する質問では、Twitterを「情報収集」に使っていると回答した高校生の割合は90.9%、「検索ツール」として使っている割合は48.4%でした。大学生は「情報収集」が90.9%、「検索ツール」は52.7%となっています。高校生や大学生はSNSを検索エンジンのように使うことが当たり前のようです。

Twitterの利用目的

出典:株式会社テスティー「TesTee(テスティー)調べ:https://www.testee.co - SNSの検索機能に関する調査(2020年)【高校生・大学生の男女対象】」, 2020年2月

トレンドや最新情報をキャッチアップ

記事で紹介したさまざまなデータから、SNSの利用率や利用時間が増え、消費者の購買行動に影響を与えていることを実感できたのではないでしょうか。特に若年層を中心に、50代以下の消費者に対するマーケティングにおいてSNSは欠かせないチャネルになっています。SNSは流行り廃りのサイクルが早く、新しいSNSも次々と登場していますので、トレンドや最新情報をキャッチアップすることが大切です。 そして、その時々でSNSごとの利用者属性やSNSの活用事例、ターゲティング方法の違い、ECサイトへの導線の違いなどを理解し、自社の商品のターゲットや目的に合わせてプラットフォームを使い分けましょう。

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