EC担当者が知っておきたいECサイトの運用業務の範囲と流れ

EC担当者が知っておきたいECサイトの運用業務の範囲と流れ

ECサイトの運用には、さまざまな種類の業務があります。コンテンツの制作、商品登録、プロモーション、受注管理、物流など、その業務範囲は幅広く、求められるスキルも多岐にわたります。

EC事業の売上を伸ばすには、それぞれの業務の目的を理解し、業務の質を高めていくことが欠かせません。

運用業務の全体像を把握することで、業務の優先順位が分かりやすくなり、目的やゴールを理解しやすくなります。そこで今回は、EC事業の担当者や、これからEC事業に携わる方に知っておいていただきたい、ECの運用業務の概要を解説します。

EC事業における5つの運用業務

ECの運用業務は大きく分けると「コンテンツ制作」「プロモーション」「商品登録」「受注管理」「物流」の5つのカテゴリに分類されます。さらに、これら5つのカテゴリはフロント業務とバックエンド業務に分かれます。

フロント業務とは、顧客から見える部分を担う業務のこと。「コンテンツ制作」と「プロモーション」が該当します。ECサイトに掲載する写真や文章などのコンテンツは、ECの売上に大きく影響します。また、ECの売上を伸ばす上でプロモーション施策は欠かせません。フロント業務とは主に「売上を伸ばす業務」だと考えてください。

バックエンド業務は、顧客から見えない業務です。「商品登録」「受注管理」「物流」が該当します。バックエンド業務は売上への貢献度が分かりにくいですが、EC事業を支える非常に重要な仕事。EC事業の規模を拡大しながら利益を出すには、バックエンド業務の強化と効率化が必須です。

それでは、「コンテンツ制作」「プロモーション」「商品登録」「受注管理」「物流」の概要と業務内容を解説します。

フロント業務

1. コンテンツ制作

ECサイトのページやバナー、画像、原稿作成、メルマガ、動画などを制作する業務です。

ECサイトのページを制作する際は、構成案にあたるワイヤーフレームを作成し、デザインや原稿を決め、HTMLコーディングを行います。さらに、バナーや原稿、写真、イラストなどのコンテンツを制作し、それらを掲載してページを完成させます。

制作担当者はメルマガやLINEメッセージなど、販促に関連するコンテンツも日常的に制作します。

さらに、近年は記事や動画をECサイトに掲載するネットショップも増えてきました。商品の魅力を顧客にしっかり伝え、購入を促進するには、記事や動画を活用することも必要です。

制作担当者の主な業務

ページ制作
ワイヤーフレーム作成、デザイン、コーディング、PC/スマホページ制作
バナー制作
トップページバナー、特集ページバナー、広告用バナー
メルマガ配信/LINE配信
ワイヤーフレーム作成、原稿作成、デザイン、コーディング、効果測定設定、配信
記事制作
商品や製造工程紹介などの記事、店長ブログ、ユーザーボイスの掲載
動画制作
サイト掲載用、広告用、SNS用動画の制作

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2. プロモーション

リスティング広告やバナー広告、アフィリエイト、SEOといったプロモーションは、ECサイトへの集客を強化する上で欠かせない業務です。

ECサイトをオープンしても、プロモーションを行わなければ売上は増えません。販促の計画を立て、予算やKPIなどを設定した上で、目的に応じて広告媒体を選定します。

リスティング広告のような運用型の広告を使う場合は、キーワードの選定や日々の入札単価の調整も重要な業務です。ただ、それには専門知識やスキルが必要な上、手間もかかることから、社内に広告運用の知見がなければアウトソースするのが良いでしょう。

プロモーションの施策は実行して終わりではなく、効果測定と施策の改善までセットで行うことが鉄則です。効果測定用のトラッキングコードおよび媒体やキャンペーンごとのパラメータを設置し、費用対効果を検証しながらPDCAを回しましょう。

プロモーション担当者の主な業務

プランニング
販促プラン作成、競合調査、KPI設定、広告媒体選定、予算調整
入稿
広告アカウント作成、効果測定タグ設置、広告文・キーワード作成、バナー作成、入稿
運用
成果の確認、予算配分の最適化、クリエイティブの差し替え・追加・停止、入札単価調整
効果測定
広告効果の分析、改善策の検討

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バックエンド業務

3. 商品登録

ECサイトで販売する商品の商品名や写真、商品説明文などを登録し、サイト上の販売開始、終了などをコントロールします。

商品情報を登録する際は、写真や原稿などの素材をそろえなければなりません。外部のライターやカメラマンなどとも連携しながら、ささげ(撮影・採寸・原稿)を行い、素材を集めます。ECモールに出店している場合は、モールごとの商品登録のルールに沿って必要な素材をそろえてください。

商品情報を登録する際は、顧客がサイト内で絞り込み検索を行いやすいように、カテゴリ分けを行うことも重要です。また、サイト内検索エンジンを導入している場合は、正しい検索結果が表示されるようにタグや検索キーワードを設定しましょう。

商品登録の担当者は、写真のサイズや画質を調整したり、必要に応じて写真の明るさや色味を補正したりするなど、使いやすいECサイトを作るための工夫を求められることも少なくありません。商品登録は単なる作業ではなく、ECサイトの売上を左右する重要な業務です。

商品登録担当者の主な業務

商品登録
商品マスタ作成、ささげ(撮影・採寸・原稿)、管理画面登録、在庫登録・更新、関連商品設定、公開・終了設定、公開チェック、セール設定
カテゴリ登録・更新
カテゴリマスタ作成、カテゴリ画像作成、商品の紐付け、管理画面登録
商品画像
撮影、画像補正、画像トリミング、画像テキストの追加、画像登録

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4. 受注管理

ECサイトの受注内容を確認し、在庫を引き当てて出荷指示を行う業務です。注文後の返品やキャンセルへの対応も受注管理担当者の重要な業務。顧客からの質問に回答したり、クレームに対処したりするなど、カスタマーサポート業務が求められることも少なくありません。また、入金が遅れている顧客に督促することもあります。

複数のネットショップを運営している場合、受注管理システムなどを導入して注文処理を一元化すると業務効率が上がります。また、倉庫管理システム(WMS)と受注管理システムを連携し、倉庫側への出荷指示が自動的に流れる仕組みを作ると業務効率化につながります。

注文処理を自動化することで、運営側の業務効率も上がり、配送リードタイムが短くなるため、顧客サービスとしても有効です。

受注管理担当者の主な業務

受注管理
受注内容の確認、在庫引き当て、入金確認、注文完了メール/出荷完了メール、出荷指示
顧客対応
カスタマーサポート(電話・メール・チャット)、キャンセル対応、返品対応、入金督促の連絡
発注
在庫確認、発注、受注生産品発注管理、入荷通知

5. 物流

物流の担当者は、出荷指示に従って倉庫内で商品をピッキングし、梱包して出荷します。リーフレットやノベルティなどの同梱物がある場合には正確に封入し、ギフト商材を販売しているECサイトの場合にはギフトラッピングやラッピング資材の同梱も行います。

倉庫内の在庫管理や、入庫時の検品なども物流における大切な業務。さらに、ECサイトに掲載する商品の画像や商品サイズなどのデータを作るために、倉庫内で撮影や採寸を行う場合もあります。

物流担当者の主な業務

在庫管理
在庫管理、入庫時の検品、保管
梱包
商品のピッキング、同梱物の確認、 検品、梱包、ギフトラッピング対応
出荷
送り状発行、仕分け、出荷作業

運用業務の役割とは?EC事業における運用業務の流れ

ECサイトの運用業務である「コンテンツ制作」「プロモーション」「商品登録」「受注管理」「物流」は、ECサイトにおける「集客」「販売」「受注」「出荷」の役割をそれぞれ担っています。

ECサイトの運用業務の役割

ECサイトの運用業務の役割

これらの運用業務は、すべての仕事が連携して進んでいきます。

ECサイトに集客するにはプロモーションが不可欠ですし、サイトに訪れた後は商品の登録がされていることはもちろん、購入意欲を高めるコンテンツが必要です。また、受注しても物流が動かなければ出荷できません。

すべての運用業務がスムーズに稼働してこそ、顧客はストレスを感じることなくECサイトで買い物ができます。その結果、顧客満足度が高まり、エンゲージメントも強まってリピート購入につながります。

運用業務に求められるスキルや人物像は?

ECの運用業務を担当する人材は、大きく分けると「全体を管理する人(店長など)」と「作業を行う担当者」に分かれます。

管理者(店長など)はECサイトの売上や利益の目標を決め、すべての運用業務に目を配りながら、人員の適切な配置やアウトソーシングの必要性などを検討します。

各業務の作業を行う担当者に求められる人物像は、業務ごとに異なります。例えば、コンテンツ制作であればデザインやコーディング、撮影、文章執筆といったスキルが必要です。商品登録は緻密な作業を正確に、かつ迅速に行えるスタッフが向いています。受注管理の担当者は、業務遂行能力が必要なのはもちろんのこと、イレギュラーな注文や顧客からのクレームに柔軟に対応できるコミュニケーション能力も必要でしょう。

このように、ECの運用担当者に求められるスキルは多岐に渡り、専門的なスキルを必要とする職種も多いため、多くのEC事業者は業務の一部をアウトソーシングしています。

運用代行会社にアウトソースすることで業務効率が上がり、ブランディングなど自分たちにしかできない仕事にリソースを集中することができます。

特に、HTMLのコーディングや広告運用、ささげ(撮影・採寸・原稿)、SEOなど特別なスキルが必要な業務は、専門業者にアウトソースすることでクオリティが高まることも少なくありません。また、取扱商品数が多い企業や、季節ごとに商品が頻繁に入れ替わるネットショップは、商品登録をアウトソースしているケースも多いです。運用業務の質と効率を高めるために、必要に応じてアウトソースを活用すると良いでしょう。

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