
ECサイトの売上を安定的に伸ばすには、繰り返し買い物に訪れてくれる「リピーター」を増やすことが重要です。既存顧客との関係維持や関係強化を目的としたリテンション・マーケティングの重要性が広く認識された現在、単品リピート通販はもちろんのこと、あらゆる商材のECサイトにおいてリピート施策が必要です。
リピーターを増やすには、価格に見合ったクオリティの商品を提供し、さまざまなサービスを提供して顧客満足度を高めることが大切です。また、ブランドコンセプトへの共感を生み出してファンを増やしていくことも重要でしょう。その上で、さまざまなマーケティング施策に取り組むことがリピーターを増やすポイントになります。
本稿では、リピート率の計算方法やリピート施策が重要な理由を解説するとともに、自社ECサイト(独自ドメインのECサイト)で実施されることが多いリピート施策を紹介します。メールマーケティングやSNS運用、デジタル広告、紙媒体の活用、ECと実店舗との連携など、押さえておきたいリピート施策を網羅しました。リピート施策で成果を上げるポイントもお伝えしますので、次のような悩みをお持ちの企業はぜひ参考にしてください。
このような企業にオススメです
- ・ECサイトにおける効果的なリピート施策を知りたい
- ・リピーターを増やしてECの売上を安定的に伸ばしたい
- ・リピート売上の拡大を通じて月商1000万円を超えたい
リピート施策とは?
リピート施策とは、企業がリピーターを増やすために行う施策の総称です。新規顧客を2回目の購入へとつなげる施策や、既存顧客のリピート率を向上させるための施策などを指します。
ECサイトにおけるリピーターの定義には幅がありますが、「一定期間に2回以上購入した顧客」をリピーターとみなすことが一般的です。初回購入から2回目の購入に至るまでの期間については「1か月以内」「3か月以内」「6か月以内」「1年以内」といった任意の期間を設定し、その期間内に2回以上購入した顧客をリピーターと定義します。
なお、単品リピート通販では定期コースに加入している会員をリピーターと定義することもあります。
リピート率の計算式
リピート率とは、新規顧客全体の中でリピーターに引き上がった顧客の割合を示す指標です。リピート率は次の計算式で求めることができます。
リピート率(%) =リピーターになった顧客の人数 ÷ 新規顧客の人数 ×100
例えば、新規顧客の人数が1,000人で、2回目の購入に至った顧客が300人であれば「300÷1,000 ×100」でリピート率は30%となります。
転換率とは?
リピート率と類似した概念として、転換率があります。「新規訪問者が購入する」「新規顧客が2回目の購入をする」など、顧客の状態が進むことを「転換する」と表現し、その割合を「転換率」として計算します。
なお、新規顧客が2回目に購入することを「F2転換」と言い、その比率を「F2転換率」と呼びます。Fは「Frequency(頻度)」の頭文字を取ったもので、2回目ならF2・3回目ならF3などのように、「F」に続く数字は購入回数を示しています。F2転換率は先ほど解説したリピート率とほぼ同義です。また、単品リピート通販などでは3回目の購入(F3転換)以降についても転換率を計算することがあります。
【転換率の例】
人数 | 転換率 | |
---|---|---|
新規訪問者 | 1,000人 | |
初回購入者 | 100人 | 10.0% |
2回目の購入者 | 40人 | 40.0% |
3回目の購入者 | 30人 | 75.0% |
4回目の購入者 | 24人 | 80.0% |
5回目の購入者 | 20人 | 83.3% |
6回目の購入者 | 18人 | 90.0% |
リピート施策が重要である理由
ECサイトのリピート率が上がると、さまざまなメリットがあります。例えば「ECの売上が安定的に伸びていく」「販促コストが下がり、利益率が上がる」「UGCが増え、新規顧客の獲得につながる」といったことがメリットです。
リピート率向上のメリット
- 1.ECの売上が安定的に伸びていく
- 2.販促コストが下がり、利益率が上がる
- 3.UGCが増え、新規顧客の獲得につながる
ECの売上が安定的に伸びていく
ECサイトを利用するリピーターの人数が毎月増え、リピート売上が毎月積み上がっていく状態が確立されると、ECサイトの売上高は安定的に伸びていきます。新規顧客の購入数は広告やセール、季節要因などの影響を受けやすく、波が大きくなりがちです。一方、定期的にECサイトを訪れて買い物をしてくれるリピーターが増えることで、売上の見通しが立てやすくなります。また、リピーターが増えるとEC事業の経営基盤が安定し、商品開発やECサイトのリニューアルなど、さらなる成長に向けた投資も行いやすくなるでしょう。
販促コストが下がり、利益率が上がる
既存顧客に商品を購入してもらうために必要な販促費は、新規顧客を獲得するためにかかる販促費よりも少額で済むのが一般的です。リピーターが増えると、ECサイトの販促コストが相対的に下がり、ECサイトの利益率向上につながります。
UGCが増え、新規顧客の獲得につながる
商品購入前にインターネットで商品について調べたり、口コミをチェックしたりする消費行動が一般化した現在、UGC(ユーザー生成コンテンツ)は消費者の購入判断に大きな影響を与える重要な要素です。リピーターが増えることで、ECサイトのレビューやSNS上の口コミといったUGCが醸成されやすくなり、UGCに触れた消費者の購入を後押しすることにつながります。
自社ECサイトで検討すべきリピート施策
ここからは、自社ECサイトでリピーターを増やすための施策を紹介します。取扱商材やEC事業の規模、成長フェーズなどに合わせて、必要な施策を選択してください。
自社ECサイトの主なリピート施策
- 会員登録の促進/会員ランク/ポイント還元/クーポン・キャンペーン/メールマーケティング/LINE/SNS運用/リターゲティング広告/定期コース/紙媒体/休眠顧客対策/UI・UXの改善/カスタマーサポート/ライブコマース/ECと実店舗の連携
会員登録の促進
ECサイトの会員数を増やすことは、リピート施策の第一歩です。リピート施策を打つには顧客に関するデータを蓄積することが不可欠です。そのため、これから解説するリピート施策の多くは会員登録していることが前提になります。
会員登録を促進するには、会員価格の適用や会員限定セールといった特典を設け、購入フローの途中で案内すると効果的です。また、会員登録特典としてクーポンやポイントを提供するのもおすすめです。
会員ランク
ECサイトの会員制度において、購入金額などに応じた会員ランクを導入し、上位ランクを優遇することでリピーターの獲得につながります。具体的には、上位ランクはポイント還元率を引き上げたり、先行販売に参加できる特典を提供したりすることが考えられます。
ポイント還元
ECサイトでポイント還元を行うことで、会員のリピート率向上が期待できます。ポイントは顧客にとって実質的な値引きとなるため、購入意欲を高める効果が見込まれます。また、ポイントに使用期限を設けることで、貯まったポイントが消滅することを避けるために期限内に買い物をする動機にもつながります。
クーポン・キャンペーン
お誕生日クーポンや会員限定キャンペーンなどを実施することで、会員の購入意欲を刺激できます。初回購入者には、次回以降の買い物で使えるクーポンやポイントを提供するとF2転換率の向上も期待できます。
メールマーケティング
既存顧客とのコミュニケーション手段として、メールマーケティングは現在においても重要です。購入完了後にお礼を伝える「サンクスメール」や、定期的に情報を送信する「メールマガジン(メルマガ)」のほか、あらかじめ設定したシナリオにそって段階的に配信する「ステップメール」などがECでよく使用されます。
メルマガの開封率を上げるためには、顧客にとって有益なコンテンツを配信することが重要です。商品の使い方を解説する動画やお誕生月クーポン、キャンペーン情報など、開封するメリットを提供すると良いでしょう。
ここでステップメールの活用例を一つ紹介します。お試しセットを購入した新規顧客をリピーターへと引き上げるには、次のようなステップメールが考えられます。
- 1.購入直後:サンクスメールでお礼を伝える
- 2.商品到着日:商品の使い方を解説する記事や動画のリンクを送る
- 3.3日後:効果を実感した顧客の口コミを送り、使い続けてもらう
- 4.1週間後:次回購入に使えるクーポンや定期コースを案内する
LINE
LINEも既存顧客とのコミュニケーション手段として重要なツールです。LINE公式アカウントのメッセージ機能を使い、友だち登録した顧客に新商品の紹介やキャンペーンの告知、クーポンの提供などを行うことができます。サンクスメールやメルマガ、ステップメールなどをLINEで代替しているECサイトもあります。
LINEの国内月間アクティブユーザー数は9700万人(2024年3月末時点)で、年齢・性別を問わず多くの人が利用しています。LINEのメッセージは一斉送信だけでなく、みなし属性(LINEユーザーが登録した情報やそれらのユーザーの行動履歴、LINE内コンテンツの閲覧傾向やLINE内の広告接触情報から推測された属性)に基づいたセグメント配信[1]も行えます。
SNS運用
Instagram、Facebook、XといったSNSを使い、既存顧客とコミュニケーションを取ることもリピート施策の一つです。SNSアカウントのタイムラインにセールやキャンペーンなどの情報を流してECサイトに誘導したり、フォロワーが投稿したコメントに返信してエンゲージメント向上を図ったりするのも効果的です。近年はInstagramのライブ機能(インスタライブ)やTikTokのライブ機能(TikTokライブ)などを活用し、顧客との交流を通じてコアなファンを育成する事例も増えています。
リターゲティング広告
過去にECサイトで購入した顧客にリターゲティング広告を配信することで、再訪問を促すことができます。例えば、Google広告の「カスタマーマッチ[2]」では、顧客リストのデータファイルを作成してアップロードすることで、リストの対象者に広告を配信することができます。
定期コース
スキンケア化粧品やサプリメントなどの単品リピート通販では、顧客を定期コースに引き上げるのがリピート率向上のポイントです。定期コース契約時には初月無料や商品1個あたりの購入単価が下がるなど、定期コース加入のメリットを提供するのが一般的です。
紙媒体(ハガキ/ダイレクトメール/同梱物/梱包資材)
会報誌やダイレクトメールなど、紙媒体を活用してリピーターの獲得につなげているECサイトもあります。例えば、会報誌を作成し、ものづくりへのこだわりや会社の歴史・理念などを詳しく伝えることで、会社に対する安心感や信頼を高めるといった取組があります。また、オリジナルの梱包材を使用したり、初回購入者に手書きのお礼状を同梱したりすることで、ECサイトの印象を残しやすくなります。
休眠顧客対策
一定期間購入していない会員に対して、誕生月やECサイトの周年記念といった節目にクーポンなどを提供すると、休眠顧客の掘り起こしにつながります。
UI・UXの改善
使いやすいECサイトを作ることも重要なリピート施策の一環です。商品を探しやすいナビゲーションや、使いやすい絞り込み機能などを設置するとともに、お買い物ガイドなども充実させましょう。また、ページの表示速度を上げるなどUXも改善することも大切です。さらに、読み物や動画などのコンテンツを掲載し、継続的に訪問したくなるサイトを作ることも効果的です。
カスタマーサポート(電話/チャット/メール/LINE)
チャットやメールで顧客の買い物をサポートし、クレーム対応にも真摯に取り組むことで、カスタマーサポートを充実させると顧客満足度が向上し、リピート率の向上につながります。
ライブコマース
ライブコマースを配信し、コメントでのやり取りを通じて視聴者との交流を深めると顧客エンゲージメントを高めることができます。ライブコマースにはコアなファンが集まる傾向があるため、定期的に実施することでエンゲージメントを高めていけば、ブランドに関する好意的な口コミを自発的に発信してくれるアンバサダー的なファンを育てることもできるでしょう。
ECと実店舗の連携
実店舗を運営している企業は、ECと実店舗が連携することでリピート促進を図ることができます。ECと実店舗を併用する顧客は、どちらか一方だけを利用する顧客よりもLTVが高くなることが一般的です。ECと実店舗の顧客データを統合し、ポイントを共通化したり、両方で使えるクーポンを提供したりすることで、ECと実店舗の相互送客を行うと良いでしょう。
顧客に「覚えてもらう」ことを意識する
リピーターを増やす最善策は、言うまでもなく良い商品を作ることです。まずは商品力を磨き、価格に見合った価値を提供することが重要です。
とは言え、良い商品を作りさえすればリピーターが増えるわけではありません。多くの場合、消費者は思い入れのある商品を買った場合を除き、購入したお店のことをいちいち覚えていないからです。
情報が溢れ、大量消費が当たり前になった現代において、お店の存在を消費者に覚えておいてもらうことは簡単ではありません。
商品力を磨くとともに、コンテンツやサービスを充実させてお店の印象を残し、SNSやメルマガなどでコミュニケーションを図りお店のことを思い出してもらう。こうした取組の積み重ねがリピート率の向上につながります。
顧客の人物像や購買心理を高い解像度で理解する
リピート施策を実行する上で、忘れてはいけない心構えの一つが「顧客が求めている情報を届ける」ということです。メルマガやLINE、SNSなどで情報発信する際、宣伝色の強いコンテンツばかりでは、顧客から嫌われて逆効果になりかねません。
顧客から好まれるコンテンツを作るには、顧客の人物像や購買心理を高い解像度で理解することが必要です。レビューの内容やコールセンターに寄せられた意見、アンケートの結果なども分析し、自社の顧客が抱える悩みやニーズを把握しましょう。優良顧客を抽出し、その属性やライフスタイル、購入経路などを分析してコアターゲットのペルソナを設定するのも良いでしょう。
セール価格での販売を見直してみる
ECサイトのリピート率が上がらない要因の一つとして、リピートにつながりにくい顧客を集客してしまっている可能性があります。値引きやセールなどを行えば、新規顧客を獲得しやすくなりますが、価格重視の顧客ばかりが集まってしまい、値引きをしないとリピートしてもらえない弊害が生じることもあります。
新規顧客に商品を体験してもらうためには値引きが有効であることは間違いありません。しかし、そこで獲得した顧客がリピーターにならず、販促コストを回収できなければ、ECサイトの利益率は下がってしまいます。リピート率を上げるには、安売りを見直してみるのも一つの方法かもしれません。
まとめ
本稿で解説したリピート施策を実行するには、ECサイト独自の販促機能を実装したり、外部ツールをECサイトに連携したりすることも必要です。また、リピート施策を打つ際にはターゲットの絞り込みや、施策を実行するタイミングといった戦略設計も大切です。その前提としてECサイトの購買データや顧客データを分析することも欠かせません。
アイテック阪急阪神のECソリューション「HIT-MALL」は、リピート施策もカバーする多彩なEC機能を備えたパッケージシステムをベースに、企業ごとに必要な機能をカスタマイズして実装することができます。システムの構築・運用だけでなくEC運営の支援サービスも提供しており、販促施策の企画・検討段階から施策の実行までサポートします。
打ちたい施策を実現できるカスタマイズ可能なECパッケージへのリプレイスを検討している企業や、リピート施策を強化したい担当者は、下記のページからお気軽に問い合わせください。
出典
- [1] オーディエンスセグメント配信(https://www.lycbiz.com/jp/lineads/help/audience_segment/)
- [2] カスタマーマッチについて(https://support.google.com/google-ads/answer/6379332?hl=ja)
FAQ
Q1. ECサイトにおける「リピーター」とはどのように定義され、その重要性は何ですか?
A1.ECサイトにおけるリピーターは、一般的に「一定期間に2回以上購入した顧客」と定義されます。この期間は「1か月以内」「3か月以内」「6か月以内」「1年以内」など任意で設定されます。単品リピート通販では、定期コースの会員をリピーターと定義することもあります。 リピーターを増やすことは、ECサイトの売上を安定的に伸ばし、経営基盤を安定させるために非常に重要です。また、既存顧客への販促コストは新規顧客獲得よりも低く抑えられるため、利益率の向上にもつながります。さらに、リピーターが増えることでECサイトのレビューやSNS上の口コミといったUGC(ユーザー生成コンテンツ)が増加し、それが新たな顧客の獲得にも寄与します。
Q2. リピート率と転換率(F2転換率など)はどのように計算され、どのような違いがありますか?
A2.リピート率は、新規顧客全体の中でリピーターになった顧客の割合を示す指標です。計算式は以下の通りです。 リピート率(%) = リピーターになった顧客の人数 ÷ 新規顧客の人数 × 100 例えば、新規顧客1,000人中、2回目の購入に至った顧客が300人であれば、リピート率は30%となります。 一方、転換率とは、顧客の状態が進む割合を指します。「新規訪問者が購入する」「新規顧客が2回目の購入をする」といった転換を数値化したものです。特に、新規顧客が2回目の購入をすることを「F2転換」と呼び、その比率を「F2転換率」と呼びます。Fは「Frequency(頻度)」の頭文字で、F2、F3と続く数字は購入回数を示します。F2転換率は、リピート率とほぼ同義として扱われますが、転換率は購入回数に応じてF3、F4などと細かく追跡できる点が異なります。
Q3. ECサイトの売上向上において、リピーター増加がもたらす具体的なメリットは何ですか?
A3.リピーターの増加は、ECサイトの売上向上に以下のような具体的なメリットをもたらします。 ECの売上が安定的に伸びる: 毎月リピーターが増え、リピート売上が積み重なることで、新規顧客の購入数に左右されにくい安定した売上を確保できます。これにより、売上予測が立てやすくなり、商品開発やECサイトのリニューアルなど、さらなる成長への投資も行いやすくなります。 販促コストが下がり、利益率が上がる: 既存顧客に商品を購入してもらうための販促費は、新規顧客を獲得するための費用よりも一般的に少額で済みます。リピーターが増えることで、全体の販促コストが相対的に下がり、結果としてECサイトの利益率が向上します。 UGCが増え、新規顧客の獲得につながる: リピーターが増えることで、ECサイトのレビューやSNS上での口コミ(UGC)が醸成されやすくなります。現代の消費者は購入前に口コミを重視するため、ポジティブなUGCは新規顧客の購入を後押しする重要な要素となります。
Q4. 自社ECサイトでリピーターを増やすための主要な施策にはどのようなものがありますか?
A4. 自社ECサイトでリピーターを増やすための主要な施策は多岐にわたります。主なものは以下の通りです。 会員登録の促進: 会員限定価格やクーポン、ポイントなどの特典を提供し、顧客データの蓄積を促します。 会員ランク制度: 購入金額などに応じて会員ランクを設定し、上位ランクにポイント還元率アップや先行販売などの優遇措置を設けます。 ポイント還元: 購入ごとにポイントを付与し、使用期限を設けることで再購入を促します。 クーポン・キャンペーン: 誕生日クーポン、会員限定キャンペーン、初回購入者への次回利用クーポンなどで購入意欲を刺激します。 メールマーケティング: サンクスメール、メールマガジン、ステップメールなどを活用し、顧客との継続的なコミュニケーションを図ります。 LINE運用: LINE公式アカウントで新商品やキャンペーン情報、クーポンなどを配信し、メッセージの一斉送信やセグメント配信を行います。 SNS運用: Instagram、Facebook、Xなどで情報発信やフォロワーとの交流を行い、エンゲージメントを高めます。ライブコマースも有効です。 リターゲティング広告: 過去にサイトを訪れた顧客に広告を配信し、再訪問を促します。 定期コース: 単品リピート通販などで、お得な定期コースへの引き上げを促します。 紙媒体の活用: 会報誌やダイレクトメール、同梱物、オリジナルの梱包資材などでブランドのこだわりや感謝の気持ちを伝え、印象に残る体験を提供します。 休眠顧客対策: 一定期間購入のない顧客に対し、クーポンなどで再購入を促します。 UI・UXの改善: 使いやすいナビゲーション、表示速度の向上、コンテンツの充実などでサイトの利用体験を向上させます。 カスタマーサポート: 電話、チャット、メール、LINEなどを通じた丁寧なサポートで顧客満足度を高めます。 ライブコマース: ライブ配信で視聴者と交流し、顧客エンゲージメントを高め、コアなファンを育成します。 ECと実店舗の連携: ポイント共通化やクーポン提供などにより、ECと実店舗の相互送客を促進し、LTV向上を目指します。
Q5. メールマーケティングはリピート施策としてどのように活用できますか?具体的なステップメールの活用例を教えてください。
A5. メールマーケティングは、既存顧客との継続的なコミュニケーションを通じてリピート購入を促す重要な施策です。 具体的には、以下のような活用方法があります。 サンクスメール: 購入完了後すぐに感謝の気持ちを伝え、顧客との関係を築きます。 メールマガジン(メルマガ): 定期的に新商品情報、キャンペーン告知、役立つコンテンツなどを配信し、顧客の関心を引きつけます。開封率を高めるためには、顧客にとって有益な情報を提供することが重要です。 ステップメール: あらかじめ設定したシナリオに基づき、顧客の状態に合わせて段階的にメールを配信します。 ステップメールの活用例(お試しセットを購入した新規顧客をリピーターへ引き上げる場合): 購入直後: サンクスメールで商品購入へのお礼を伝える。 商品到着日: 商品の具体的な使い方を解説する記事や動画のリンクを送る。 3日後: 実際に効果を実感した他の顧客の口コミを送り、継続利用を促す。 1週間後: 次回購入に使えるクーポンや、お得な定期コースへの案内を行う。 このように、顧客の購買心理に合わせて最適なタイミングで情報を提供することで、F2転換率の向上を目指します。
Q6. リピーターを増やす上で「顧客に覚えてもらう」ことはなぜ重要なのでしょうか?
A6. リピーターを増やす上で「顧客に覚えてもらう」ことは極めて重要です。現代は情報過多の時代であり、消費者は一度商品を購入しても、そのお店のことを詳細に覚えていないことが多いからです。良い商品を提供することはもちろん大前提ですが、それだけではリピーターは増えにくいのが現実です。 顧客に覚えてもらうためには、単に商品を売るだけでなく、以下のような取り組みを通じてお店の印象を強く残し、顧客との関係性を維持・強化する必要があります。 コンテンツやサービスの充実: 読み物や動画など、顧客が継続的に訪問したくなるような魅力的なコンテンツを提供したり、手書きのお礼状を同梱したりするなど、購入体験を向上させるサービスを提供します。 継続的なコミュニケーション: メルマガやLINE、SNSなどを通じて、顧客にとって有益な情報やキャンペーンなどを定期的に発信し、お店の存在を思い出してもらう機会を創出します。 このような地道な取り組みの積み重ねが、顧客の記憶に残り、リピート率の向上につながります。
Q7. リピート施策を成功させるために、顧客の理解はどのように役立ちますか?
A7. リピート施策を成功させるためには、「顧客の人物像や購買心理を高い解像度で理解する」ことが不可欠です。顧客が何を求めているのかを深く理解せずに、宣伝色の強いコンテンツばかりを配信しても、顧客に嫌われ、逆効果になる可能性があります。 顧客を理解するためには、以下のような方法が有効です。 顧客データの分析: ECサイトの購買データや顧客データを詳細に分析し、購入履歴、頻度、金額などの傾向を把握します。 フィードバックの収集: レビューの内容、コールセンターに寄せられた意見、アンケートの結果などを分析し、顧客が抱える悩みやニーズを把握します。 ペルソナ設定: 優良顧客を抽出し、その属性(年齢、性別、職業など)、ライフスタイル、購入経路などを分析することで、具体的なコアターゲットのペルソナを設定します。 これらの分析を通じて顧客のニーズを正確に把握することで、顧客が本当に求める情報やコンテンツを提供できるようになり、結果としてリピート施策の成果を高めることができます。
Q8. リピート率向上の観点から、セール価格での販売についてどのような考慮が必要ですか?
A8. リピート率向上の観点から、セール価格での販売は見直すべき点があります。値引きやセールは新規顧客の獲得に有効な手段ですが、価格を重視する顧客ばかりを集めてしまうと、「値引きがないと購入しない」という弊害が生じることがあります。 新規顧客に商品を体験してもらうために値引きは有効ですが、そこで獲得した顧客がリピーターにならず、販促コストを回収できない場合、ECサイト全体の利益率は下がってしまいます。 したがって、リピート率を上げるためには、安売りばかりに頼るのではなく、商品の品質やブランドの価値を伝えることに注力し、価格競争以外の要素で顧客を惹きつけ、長期的な関係性を築く戦略を検討することも重要です。商品の価値に見合った価格設定と、それを納得させるための顧客体験の提供が、結果的にロイヤルティの高いリピーターを育成することにつながります。