Facebook広告の種類は?配置やフォーマットごとに解説

Facebook広告の種類は?配置やフォーマットごとに解説

世界最大級のソーシャル・ネットワーキング・サービス「Facebook」は、ECサイトへの集客や購買促進のための広告媒体としても、広く活用されています。最大の特長は、国内の月間アクティブアカウント数が2,600万(※1)にも及ぶ膨大なユーザーが、年齢や居住地など詳細なプロフィールを登録しているため、精度の高いターゲティング配信を実現できること。さらに、ユーザー自身が登録している属性だけでなく、Facebook上での行動や興味関心に合わせて広告を配信できることは、Facebook広告を活用する大きなメリットです。

このようにメリットが多いFacebook広告ですが、広告の種類が多く、ターゲティング設定や運用知識が必要となるため、実際に利用するのは難しく感じている方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、Facebook広告の種類を配置やフォーマットごとに解説します。

※1 CNET Japan「フェイスブック ジャパン長谷川代表が語る「退任の真意」--独占ロングインタビュー」2019年7月 

Facebook広告とは?

Facebook広告とは、ニュースフィード(投稿が流れる場所)や画面右側の広告枠に画像や動画などの広告を配信できるサービスです。Facebookは原則実名で登録するため、ユーザーが年齢や性別、居住地、職業、学歴、家族構成、職場などのデータを登録していれば、それらの情報を活用して広告の詳細なターゲティングを行うことが可能です。Facebook広告では、広告配信の対象となるFacebookユーザーのことを「オーディエンス」と呼んでいます。

Facebook広告は、どのようなユーザーにリーチできる?

国内における「Facebook」の利用率について、総務省の調査(令和元年度)によると、10~60歳代全体では32.7%、さらに細かい内訳としては、10歳代では28.9%、20歳代が39.3%、30歳代が48.2%、40歳代では35.9%、50歳代では33.5%、60歳代では12.1%が利用しているとのことでした。TwitterやInstagramなどの他SNSと比較すると、30歳代の利用率が高いことが特徴です。(※2)また、10~60歳代の男女において、男性の33.4% 、女性の32.1%がFacebookを利用していると回答しています。(※2)

※2 総務省「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」P76,2020年9月

各SNSの利用率や利用目的のトレンドに関しては、「ECサイト集客に欠かせないSNSトレンドと年齢層別の利用傾向まとめ」の記事にて詳しく解説していますので、参考にしてみてください。

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ECサイト集客に欠かせないSNSトレンドと年齢層別の利用傾向まとめ

主なSNSの利用者属性や年齢層別のSNS利用率、利用時間などのデータについてまとめています。自社のターゲット層に合ったプラットフォームを選び、目的に合った施策を打つために、ご参考ください。

Facebook広告の全体像

Facebook広告 全体像

Facebook広告は「配置」「広告フォーマット」「目的」「ターゲティング」を設定することで配信できます。

配置とは、Facebook広告を配信できる場所のことで、①フィード②ストーリーズ③インストリーム④検索⑤インスタント記事の5種類があります。広告フォーマットには、画像、動画、カルーセル、コレクション、インスタントエクスペリエンスなどがあります。配置ごとに配信できるフォーマットが変わるので、広告の特徴にあわせて使い分けましょう。

Facebook広告の配置の種類

Facebook広告 配置

出典:Facebookビジネスヘルプセンター「 広告マネージャの配置について

Facebook広告の配置は「フィード」「ストーリーズ」「インストリーム」「検索」「インスタント記事」の5種類があります。

フィード

<使用できるフォーマット:画像/動画/カルーセル/コレクション/インスタントエクスペリエンス(モバイル版ニュースフィードのみ)>

Facebookのフィードに表示される広告です。ユーザーによる通常の投稿に混ざって、画像や動画の広告が流れます。

ニュースフィード

ユーザーやそのユーザーの友達が投稿した近況や写真などが表示される画面がニュースフィードです。ニュースフィードでは、友達やユーザーの投稿の間に挟まれて広告が表示されます。 最も表示される機会が多く、Facebook広告の中でも基本となる広告の配置場所です。

Facebook広告 ニュースフィード

動画フィード

動画フィードはFacebook WatchとFacebookニュースフィードの動画専用環境で、一般ユーザーが投稿した動画と動画の間に表示されます。

Facebook広告 動画フィード

右側広告枠

右側広告枠はPC専用の配置です。その名の通り、通常はFacebookの各ページの右側の枠に表示されますが、他の場所に表示される場合もあります。

Facebook広告 右側広告枠

MarketPlace

Marketplace広告はFacebookの商品出品サービス「Marketplace」に表示されます。

Facebook広告 MarketPlace

ストーリーズ

<使用できるフォーマット:画像/動画/カルーセル/コレクション/インスタントエクスペリエンス(モバイル版のみ)>

投稿後24時間でコンテンツが消える「ストーリーズ」に表示される広告です。ストーリーズの複数のコンテンツを連続して閲覧すると、数回に1回の頻度で広告が表示されます。

Facebook広告 ストーリーズ

インストリーム

<使用できるフォーマット:画像/動画/カルーセル/コレクション>

Facebookに投稿された動画の再生前後や、再生中に挿入される広告です。動画投稿者(クリエイターやコンテンツパブリッシャー)が収益化を設定(広告を許可)している場合、その動画に広告が流れます。

Facebook広告 インストリーム

検索

<使用できるフォーマット:画像/動画/カルーセル>

Facebook上での検索結果や、Marketplaceでの検索結果に表示される広告です。

Facebook広告 検索

インスタント記事

<使用できるフォーマット:画像/動画/カルーセル>

Facebook上での検索結果や、Marketplaceでの検索結果に表示される広告です。Facebookに承認されたパブリッシャーがFacebook内で配信したニュース(インスタント記事)に混ざって表示される広告です。

Facebook広告 インスタント記事

※出典:各画像はFacebookの広告マネージャより引用した画像を加工して作成

メインはフィード広告、迷ったら「自動配置」を選択

Facebook広告のメインの広告枠は「ニュースフィード」や「動画フィード」です。ただ、その他の広告枠も配信してみないことには、効果があるのかどうかを判断することは難しいでしょう。初めてFacebook広告を配信するならば、基本的にはデフォルトで選択されている「自動配置」を選択し、Facebookの機械学習に委ねることをおすすめします。

「自動配置」とは、Facebook広告、Instagram広告、Messenger広告、AudienceNetwork のすべてのプラットフォームの、すべての配置の中から、広告効果が最大化する配置を機械学習によって予測し、自動的に予算を調整して配信してくれる仕組みです。

Facebook広告のフォーマットの種類

Facebook広告 フォーマット

Facebook広告のフォーマットは「画像」「動画」「カルーセル」「コレクション」「インスタントエクスペリエンス」があります。広告の目的や内容を踏まえて使い分けてください。

A)画像

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

Facebookページに投稿した写真や、広告用に撮影した商品写真などを広告のクリエイティブとして使用します。写真にテキストを添えて投稿するのが一般的です。

画像そのものにテキストを記載することもできますが、文字数をできるだけ抑え、画像の邪魔にならない大きさにすることがポイントです。画像内のテキストは全体の20%未満に抑えると、パフォーマンスが高くなるというデータもFacebook公式から紹介されています。(※3)

※3 ビジネスヘルプセンター「広告画像のテキストについて

B)動画

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

フィードやストーリーズ、インストリームなどは動画広告を流すことができます。動画は静止画よりもインパクトが強く、音声でも商品について詳しく説明することができるといったメリットがあります。配信できる動画の長さは広告の種類によって異なりますが、1秒〜240分以内です。動画のキャプションや音声は任意ですが、Facebook社はどちらも入れることを推奨しています。(一部の広告はキャプション不可)

※3 ビジネスヘルプセンター「広告画像のテキストについて

動画広告要件

フォーマット 動画の長さ
フィード 240分以内
Marketplace 240分以内
インストリーム 5秒~10分
ストーリーズ 1~120秒
検索 240分以内

※4 Facebook for Business「動画広告要件

C)カルーセル

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

Facebook広告 カルーセル

1つの広告枠に、複数のクリエイティブ(画像や動画)を最大10件まで使用できるのが「カルーセル」です。クリエイティブごとに見出しや説明文を設定し、異なるURLを設定することもできます。1つの広告枠の中で複数の商品を紹介し、それぞれの商品ページにリンクを貼ることも可能です。複数の画像を商品の使い方や、製造プロセスなどを、時系列で説明する際にも効果的な広告です。

D)コレクション

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム>

Facebook広告 コレクション

※出典:Facebookの広告マネージャより引用した画像を加工して作成

カバー画像(メインの大きな画像)と、その下に4つの小さい製品画像がグリッド状のレイアウトで表示される広告フォーマットです。画像をタップするとフルスクリーンで表示されます。

コレクション広告は「インスタントストアフロント」「インスタントカタログ」「インスタント顧客獲得」「インスタントストーリーテリング」と4つのテンプレートを使用できます。詳しくは、ビジネスヘルプセンターのページを参照してください。

配置とフォーマット以外にチェックしておきたい配信方法

基本的にはここまで紹介した配置5種類とフォーマット4種類の組み合わせでFacebook広告を配信できますが、その他にもいくつか効果的な広告フォーマットがあります。

ここからは「インスタントエクスペリエンス広告」「スライドショー広告」「ダイナミック広告」「リード獲得広告」「クーポン広告」「アンケート広告」について説明します。

インスタントエクスペリエンス広告(旧キャンバス)

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

Facebook広告 インスタントエクスペリエンス(旧キャンバス)広告

モバイル端末のみ配信できる広告で、広告をタップすると画面全体に表示される広告です。広告がフルスクリーンで表示されるため、視覚的なインパクトが強く、没入感がある広告です。画像、動画、カルーセル、コレクションなどのフォーマットに対応しています。

スライドショー広告

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

Facebook広告 スライドショー広告

2~15点の画像または動画を組み合わせて1つのクリエイティブを構成し、画像や動画が自動的に切り替わる広告です。複数の画像を組み合わせて動画のように見せることができます。1つの商品をいくつかのアングルから撮影し、商品を360度あらゆる方向から見せることも可能です。動画広告と比べて通信データ量が少ないため、通信回線が弱くても広告が表示されやすいといったメリットもあります。

ダイナミック広告

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

Facebook広告 ダイナミック広告

フィードやストーリーズにて広告配信をする際、商品の金額やカテゴリ情報などの情報をカタログ(商品リスト)としてまとめ、Facebookページに登録できます。登録したカタログ(商品リスト)を参照して自動的にクリエイティブを選び、配信される広告です。広告がオーディエンスに合わせて自動的に選択されるため、広告ごとにクリエイティブを制作・設定する必要がありません。ECサイトの取扱商品数が多い場合などは、広告を1つ1つ制作、設定する負担がなくなることがメリットです。

リード獲得広告

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

Facebook広告 リード獲得広告

Facebook広告上で、氏名やメールアドレスなどのフォーム入力を促すことができる広告フォーマットです。定型の入力フォームを表示するほか、カスタマイズによって任意の質問も設定できます。キャンペーン目的を「リード獲得」に設定した場合に利用できる広告で、ニュースレター(メルマガ)の購読や、ホワイトペーパーのダウンロードなどに活用できます。

クーポン広告

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

Facebook広告 クーポン広告

ECサイトや実店舗で使えるクーポンをFacebook上で発行する広告で、ニュースフィードに流れます。オンラインクーポン広告と店頭クーポン広告を配信でき、自社のリピーターやファンの獲得、新規顧客の獲得にも役立てることができます。

アンケート広告

<配置:フィード/ストーリーズ/インストリーム/検索/インスタント記事>

Facebook広告 アンケート広告

オーディエンスに対してアンケートを実施する広告です。モバイルデバイスでニュースフィードに表示させることができます。ユーザーは2択のうちのいずれかをタップするだけで完結するため、他のページに遷移する広告に比べ、ユーザー反応が高くなりやすいです。興味のある商品はどちらなのかを質問したり、サービスへの意見を聞いたりするなど、市場調査や満足度調査に活用できます。また、各選択肢のボタンにリンクURLも追加できるので、選択肢によって誘導するランディングページを出しわけることで効果を比較することもできます。アンケートのリーチ数や回答者数、アンケートの集計結果などは、広告マネージャで確認できます。

まとめ

Facebookは国内屈指のユーザー数を持つ巨大なプラットフォームであり、かつ、ユーザーの属性や所属組織、興味・関心、行動履歴をターゲティングに活用できるなど、他の広告媒体にはないメリットがたくさんあります。リスティング広告やディスプレイ広告などの成果が停滞気味になっているEC事業者は、Facebook広告を使うことでこれまでに接点のなかった層の新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

本記事では、広告の種類と各フォーマットの違いなど、Facebook広告の基本知識をまとめて解説しました。記事の内容を踏まえ、Facebook広告は自社のECサイトへの集客に効果的なのか、マーケティング調査に活用できそうかなどを考えるきっかけとしてみてください。

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